かつての東海道の要所・熱田

名鉄の神宮前駅で途中下車。
熱田神宮周辺をブラついてみました。

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まずは、「七里の渡し舟着場跡」へ向かう。

東海道の内、宮(熱田)~桑名の海路「七里の渡し」の船着場であった場所。
現在は、小さな公園として整備されている。

熱田神宮から徒歩で10分ほどだが、すでに磯の香りが漂ってくる。
舟着場跡の周辺にも、漁船らしき船がたくさん停泊している。

「ハトやカモメにエサを与えないでください」という看板も、海が近い証拠?
残念ながらカモメの姿は見えなかったが…

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公園内に設置され存在感を放っている「時の鐘」
もともとは1676年に熱田蔵福寺に設置されたもので、熱田の人々や、旅人に時刻を伝えていた。
ここに建っているものは、昭和58年に宮の宿を想い起すための象徴として再建されたものとの事。

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交通の要所であっただけあり、様々な偉人も訪れた場所であった様だ。
名古屋市が掲げた案内看板が公園内のあちこちで見られる。

松尾芭蕉は、”熱田三歌仙”を残している。
旅の初期には熱田をたびたび訪れており、舟遊びの中で5・7・5の歌などを開拓していった…と伝わっている。
近代には、シーボルトが江戸へ向かう際や長崎への帰路の途中で立ち寄り、水谷豊文らと会見を行っていたとの記録もある。

…と、ここでちょっと休憩。
神宮前駅から歩いてくると、結構な距離がある。
のどが渇いたので、休憩スペースの自販機でコーヒー牛乳を買う。

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ROOTSのカフェオレを押したのに、なぜかドトールのボトルが出てきた。
どう見ても見本とは違うものが出てきたが…

ついでに、メニューの半数ほどは売り切れ中であった。
管理状態は大丈夫なのだろうか…

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舟着場跡を離れ、熱田神宮方面へ戻る。

周辺は交通量が多く決して静かとは言えない場所だが、熱田神宮の前までくると一変。

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ニワトリが叫んでいるのが聞こえてくる。
木々が生い茂る中湧き水が流れているのを見ると、都市部から急に異世界に入り込んだかの様。
平日の夕方であったが、カップル、海外旅行客、家族連れなど、参拝客は多い。
(もちろん、催事の際に比べたら全然少ない。)

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現代でこそ名古屋の中心は名古屋駅側に移っているが、古代から信仰の地として、近代にかけて人々の宿場として、歴史が残っている。
目立つ遺構こそ少ないが、熱田神宮周辺は今でも特別な場所である空気感が漂う。


帰りはJRの熱田駅から。

名鉄の神宮前駅とは500mほど離れている。
比較的大きい神宮前駅と違い、JRの駅は小じんまりした駅で、ロータリーも小さい。

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別にJRだけが極端に熱田神宮から遠いわけではないが、駅前が栄えた名鉄神宮前や、利便性に勝る名城線にシェアは奪われた状態。
正月など特別人出が多いときは、こちらも混みあう様なのでご注意を。