愛知県一宮市、一宮駅の東側にはかつて東一宮駅が存在し、隣りの市の岩倉駅まで名鉄一宮線が繋がっていたらしい。
現在、廃線跡の土地は道路になっていて辿ることができるため、一宮から岩倉まで自転車で走ってみた。
(一宮市内の区間は半分ほど数年前に辿っていて、続きを辿るのを忘れていた。今回、前回の探索と合わせてまとめ直した。)
東一宮駅跡からスタート。
一宮駅からは、徒歩で10分ほどの距離で、少々離れている。
駅跡の土地には、かつては名鉄百貨店とバスロータリーが存在したが、現在はマンションが建っている。
百貨店は一宮駅が高架化、改築される際に駅のすぐ隣に移転、現在は直結となっている。
百貨店より西側の商店街入口近くにはタマコシのビルがあったりしたが、タマコシは経営破綻した。
大型店舗は消えたが、新しい飲食店がオープンしたりと決して商売の町でなくなったわけではなさそう。
商店街も色々工夫を凝らしている様だが、平日は歩いている人も少なく中々厳しい様である。
住宅街の間を見ると、細長い駐車場があったりするので、おそらく線路跡。
GoogleEarthなどで航空写真を見ると、土地の境目が一直線になっていて、かつての線路跡に住宅が建てられていったことが分かる。
下の写真の手前には、大江川の橋梁跡が写っている。
現在となっては数少ない遺構らしく、かつて線路が通っていた事や河川改修の歴史が書かれた看板も立っている。
この付近は完全に住宅地に埋まっているが、かつては花岡町駅があったらしい。(地名的には、大江川を渡って少し東側)
また、暫定の終着駅として作られた西印田駅が、東一宮駅から約600m東に存在したらしい。
正確な場所は家屋だらけでもはや分からないが、地図上で東一宮駅跡から600mの場所は通りが交叉する地点で今でも拓けた場所なため、周辺に昔駅があったとしてもおかしくはない。
この先は道路も広くなっている。北側には「アオキスーパー」がある。
次は印田駅なのだが、こちらもイマイチ場所が分からない。
名鉄のホームページで確認した限りだとこの辺り。
交差点のあたりに少し広くなっているところがあるので、おそらく…
ちょうどこの周辺の地域に印田という地名が残っている。
印田のあたりを東へ進んで行くと、左手(線路跡北側)に名鉄バス一宮営業所が見える。
バスの営業所から少し東へ進むと、駅跡っぽい空間がある。
しかし、印田駅の次、浅野駅はまだ先である。
wikipedia(2016.3.18閲覧)を見てみると、国道22号交差点から300mのところに印田駅があったと記載されており、距離的にはちょうどこの写真の付近となる。
名鉄の記録とは異なるため、この駅っぽい跡を見つけた人が勘違いしたのか??
少なくとも何かしらの設備があったとは思えるが…
さらに進むと、廃線跡のルートは国道22号で分断されている。
もしドル箱路線でずっと需要があったら、一宮線がバイパスの上を高架で通過していたのだろうか。
国道22号を挟んで東側に進むと、浅野駅跡に到着。
JAの敷地の辺りが、昔の駅跡と聞いた。
しばらく、道幅も広く交通量が多くなる。
浅野羽根交差点を過ぎると、愛知県道149号浅野羽根岩倉線になる。
妙にガタガタの歩道…
羽根バス停。
だいぶ広くなっているが、元は羽根駅があった場所がそのままバス停になっているためらしい。
ここまで来ると、歩道も綺麗になっている。
住宅が多く、学校も近くにあるからだろうか…
1級河川「青木川」を渡る。
元小山バス停。
こちらも、元小山駅の跡地に作られたバス停。
名神高速の下をくぐると、岩倉市に入る。
線路跡の上を県道63号線が跨いでいる。
地元民の父から、ここは鉄道時代から立体交差だったと聞いた。
通り抜け用の歩行者用トンネルも造られている。
岩倉駅に近付くと、道路はカーブしていく。
この道路自体が線路跡なので、名鉄犬山線に合流する様に繋がっている。
「歴史彩り 四季弾む やっぱりい~わ岩倉市」
特に春は、五条川の桜が美しい。
ゆるキャラのい~わくん。
岩倉市と言えば鯉のぼり、そして五条川で鯉のぼりの糊を洗う「のんぼり洗い」が有名。
犬山線との合流地点まで行くと、岩倉駅に到着する。
古くからある駅だが、今はバスロータリーなど駅前もすっかり整備されている。
これでひとまず、一宮線の廃線跡の探索は終了。
元々は名古屋市内から枇杷島、岩倉に至る路線であったらしい。
この内、枇杷島橋~岩倉区間は現在の犬山線となっているので、その先の部分をまた今度見に行ってみたい。