静岡市を歩く。富士山眺めてから一人焼肉の旅?

1月某日、金曜の仕事終わりに名古屋を出発し、静岡へ。
金曜の夜はホテルでゆっくりして、朝からのんびりとまち歩きをしようというプランのプチ一人旅をしてきた。
当初は浜名湖の景色を見ながら在来線で…と思っていたところすっかり暗くなってしまったので、こだまに乗って静岡駅まで行く事にした。

浜松は何度も行った事があるが、静岡市はお初。
浜松くらいであれば愛知から鉄道でも高速道路でもすぐだが、さすがに静岡市まで来ると遠く感じる。
到着時は夜だった上にちょっと疲れがたまっていたので、ホテルでテレビを観ながら過ごし、探索は朝からスタートにした。
普段地元では映らないローカルな番組を観るのも、楽しみの一つ…?

「駿府城跡」

翌朝はまず駿府城跡に行ってみる事にした。
もともとこの地は今川領国であったが、武田領国化を経て、家康の時代になってから駿府城は現在の形になったと伝わっている。
家康が隠居の後に移り、没するまで駿府は政治経済の中心として栄えたという。
家康が住むという事で改修したら焼失、再建したらまた焼失…となった結果、城主の不在もあって天守閣は再建されることは無く、現在に至るまで天守閣は残されていない。

静岡駅からは歩いて行ける距離であり、現在その敷地は公園として利用されている。
この駿府城跡からは富士山との間に高い建物なども見えず、ダイレクトに富士山を見ることができる。

この日は、向かう前にホテルの窓からビルの合間にチラッと富士山が見えたので期待できたが、出て行ってみれば見事な快晴だった。
さすがに静岡駅近くからでは距離があるが、空は雲ひとつなく、はっきりと富士山を拝む事ができた。
自分が静岡に来るのは新幹線で通過するのも含めてここ1年ほどでは3回目だが、一番の晴れ模様だったと思う。

駿府城は3重の堀を有していた城郭で、現在敷地としては二の丸堀の内側が公園となっており、堀に沿った遊歩道は周辺住民のランニングコースとなっている。
土曜の朝という事もあってか、10時頃には多くの人が堀に沿って走っていた。
皇居の周りが代表的だが、堀沿いのランナーたちはどこでも共通の風景でもある。

二の丸堀と一番外側の堀との間には、役所や学校といった公共施設が集まっている。
行政機関が集まり、公園が大規模な避難所となるため、周辺一帯が防災の拠点地区ともなっている。
城跡が県庁などの建つ行政地区になっているのは名古屋もそうだが、名古屋城と異なり駿府城跡は現在発掘中との事。

二の丸堀に沿った石垣はしっかり残っているので、近くまで行けばすぐに城跡だと分かる。
H21年の地震で一部が崩壊してしまったとの事だが、1年以上に渡る復旧工事によって立派に修繕されている。
パッと見だと気づかないかもしれないが、よく見ると新しそうな部分が見られる。
(延長約41m、高さ約8mが崩壊したとの事。)

また、大きな規模の崩壊のため破損して再利用できない石材もあったらしく、公園内の広場にはそれらを再利用して石垣のモデルが展示されており、断面構造を見る事ができる。

一方、二の丸堀と異なり、1番内側の本丸堀はもともと埋まってしまっていたそうだが、今は一部が発掘されて見られる様になっている。
公園の南側に残る、水位がだいぶ下に見える池が、表に出された堀の一部分。
江戸時代当時は深さ5m、広い所で幅30mの規模だったと伝わっている。

この本丸堀と二の丸堀をつなぐ二の丸水路も発掘がされている。
もともと水を流入するための役割を持っていた水路である。
水路の壁面だけでなく底部まで石が敷かれており、下部の石垣については築城当時の遺構と考えられている。

他にも歴史の生き証人(?)としては、家康手植のみかんの樹が公園内に保存されている。
家康が植樹したものだそうで、県の天然記念物として指定されているとの事。
美味しいのだろうか…

こうした歴史の遺物が残っているものの、観光地というよりは地元住民の憩いの場という印象がある。
こんな公園が近所にあったらそりゃ良いよな~と思う。
お昼近くになれば、親子連れや散歩の老人などでいっぱいであった。


「浅間神社」

続いて、駿府城跡から西方面、浅間神社へ行ってみた。

お昼ご飯ついでに、少し遠回りして商店街通りを歩いて行く。
駅前の通りは、道自体は狭く一方通行も多いが、歩行者天国になっていて中々快適に回れる。

県庁前の道を歩いて行くと、交差点に鳥居が見えてくる。
正月から外れていたためか、あまり店は開いていなかったが、道が静岡県庁や市役所の方面に延びているのもあるのか、それなりに人通りはある。
古くからの店が多いのかと思いきや、プログラミング教室やカードゲームの専門店など、現代っぽい店舗もいくつか。カード屋には地元民らしき子供が集まっていた。

鳥居を越えて5分も歩けば神社に着く。
「静岡浅間神社」には7つの社があり、全てを回れば万願が叶うとの事。

神部神社…宝授ける福の神
浅間神社…良縁安産子授けの神
大歳御祖神社…殖産興業守る神
少彦名神社…技芸上達知恵の神
麓山神社…人のしあわせ招く神
八千戈神社…人の運勢開く神
玉鉾神社…試験合格祈る神

せっかく来たなら、全部巡っておきたいところ。
神社自体は街の中心部から歩いて行けるぐらい近いが、敷地のすぐ背後に山が迫っており、全部の社を巡るには山の上まで登る必要がある。

お願いしたければこれぐらいの苦難は乗り越えないと…
とはいえ、足腰の弱い人は大変危険。
階段下で参拝だけする事も可能なので、無理は禁物。

階段を登り切るとなんとイノシシ注意の看板が。
すぐ下は街であるが、山の上側は森林が茂っており、尾根伝いにイノシシがやってきてもおかしくはなさそうではある。
不安な方は、下の神社でイノシシに出会いませんようにとお願いしてから登りましょう(?)

また、浅間神社内にはやたらポケストップに恵まれた場所でもある。
しかし多くの人が参拝に訪れており、通路は決して広くない。
(正月など行事の時期は車の出入りも多い。)
ポケモンGOユーザーの人は要注意。


焼き肉屋「クーニーズ」

新年早々、1人焼肉でまたおひとり様の階段を一歩登ってしまった。
晩ご飯に、静岡駅近くにある「クーニーズ」という焼き肉屋を訪ねた。

実は今回の静岡旅の大きな目的の一つがこのクーニーズを訪れる事。

こちらは、かつて電磁戦隊メガレンジャーにて主役・健太/メガレッドを務めた俳優、大柴氏のお店。
メガレンジャーは、放送当時はビデオに録画して何度も観ていた作品で、まさに自分にとっては憧れのヒーローだった人である。
店員さんにお願いしてみたところ、仕込みでお忙しいにも関わらず、実際にお話させていただいた。
健太といえば焼肉好きのキャラで、作中でも焼肉を食べるシーンや焼肉屋でバイトする回があるのだが、まさか本当に焼肉屋を開いてしまうなんて!
今でも憧れのヒーロー本人に会えた、これ以上ファンにとって嬉しい事は無いでしょう。

緊張と感激で記憶が途切れ途切れだったりするが、出てくる肉はお店の拘りに恥じず旨味抜群。
隣の席は女子会グループだったみたいだが、確かに店の雰囲気もオシャレで女性受けも良さそうである。
かなり美味しいお店と思うのでリピーターになりたいけれど、隣の県とはいえ愛知から通うのはきついか…

しかし憧れのヒーローに会えた感激で店を出てからニヤニヤが止まらなかったので、不審人物に見られていなかったか不安である…