名鉄・枇杷島分岐点 デルタ線&都市圏の田舎駅?

名鉄名古屋駅から、名古屋駅から岐阜方面へ2駅の「東枇杷島駅」を過ぎ、庄内川を渡った先に存在する枇杷島分岐点。
ここは名鉄の名古屋本線と犬山線が二股に分岐しているが、本線と犬山線を直接つなぐ経路が設置され、三角形に線路が繋がったデルタ線となっている。

名古屋から近く、多くの電車が行き来する区間であり、眺めていると次々に列車が通過していく。

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分岐点のすぐ南側は庄内川が流れる。
車で1時間も降れば海という地点であるため、川幅は結構広め。

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よく見ると、堤防には線路のすぐ横に橋梁跡が残っている。

もともとは現在の橋梁の下流側にかかっていたが、経路変更により今の位置になったという。
現在でもブロック積みが残っているのが確認できる。

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以前は現在の分岐点付近に枇杷島橋駅が存在していたが、庄内川橋梁へ登るための急勾配、駅用地の不足といった問題が多く、駅を廃止し現在の形になるまで改善を試みてきた歴史がある。

しかし、名古屋からの多くの列車が通り、しかも二つの路線が平面交差している事もあり、ダイヤが遅れた際は両路線に影響が出る。
勾配やカーブも決して緩いとはいえず、レール自体が昔より良いものになっているとはいえ、列車はスピードを落として通過する。(住宅密集地という理由もあるのだろうが。)
現在でも、名鉄の運行上の課題となっているポイントの一つ。


庄内川堤防上の踏切付近より、分岐点を撮影。
すぐ目の前に本線と犬山線が分かれるポイントがある。
周りは線路のギリギリまで住宅が建っており、完全に包囲されている…

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下に降り、本線側より。
左手に延びるのが、犬山線へと接続するルート。
普段は留置線として使われており、定期列車は通過しない。

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数年前まで、このデルタ線の内側に民家が一軒だけあった。
「ナニコレ珍百景」にも取り上げられたことがある。
なんでも、デルタ線着工当時には新築だったために立ち退きを拒否したとかどうとか…
留置線の途中にデルタ内部に繋がる通路が作られ行き来ができたそうだが、いつの間にか無くなっていた。
といっても、後年は倉庫として利用していただけだったらしい。


続いて、本線の西枇杷島駅へ。
枇杷島分岐点は西枇杷島駅の構内という扱いとの事。

名古屋から3駅目なのに、ずいぶん古い雰囲気をした駅舎。

下の写真は、駅横を通る踏切側から撮影。

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名古屋周辺の区間は退避施設が無くとにかく余裕が無いため、西枇杷島から須ヶ口までの区間は、名古屋から数駅なのに普通電車が時間2本しかない。
津島方面と岐阜方面が通り、さらに分岐点で犬山線と合流するとなっては、普通電車まで名古屋へ走らせるのは無茶というもの。
そのため、名古屋まで数分の距離なのに、駅は閑散としている。

また、2面4線のスペースがあるが、ホームが狭く、停車する列車が来るまでホームには入れない。
スピードを落としているとはいえ、通過列車をホーム上でやりすごすのは危険という…

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西枇杷島駅の岐阜方面側にはJR東海道本線&新幹線の高架が通っているため、デルタ線とJRの間に挟まれた状態。
JR線もまた西枇杷島駅の拡張を難しくしている要因のひとつ。

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周辺は昔からの住宅地だが、デルタ線を通過する名鉄本線・犬山線の列車は観えるし、東海道線や新幹線も観える、隠れたスポット。
名古屋が近いので、名鉄でくるにしろJRで枇杷島駅にむかうにしろ、アクセスも良好。
逆に言えば住宅地なのに駅に停まる本数が少ないのは損だとも思うが、JR枇杷島駅も遠くなく、そちら側の再開発も進んでいるので、決して不便な地域というわけではないのかも。